「2009年度版札幌市中心部オフィス市況」を発表

札幌市のオフィスビル市況は空室率二桁代の厳しい環境に

株式会社札幌ヴェルディ   平成21年3月26日


札幌市を中心に、北海道道央圏で事務所、倉庫、店舗など不動産仲介をおこなう株式会社札幌ヴェルディ(本社:札幌市中央区北2条西13丁目1番地1号K2ビル5階、中村恭章社長)は、2009年3月27日、2009年度(2008年12月現在)の業界レポート「2009年度版札幌市中心部オフィス市況」を発表します。対象地区は札幌駅前通りおよび周辺、大通周辺、大通南周辺、地下鉄東西線バスセンター駅周辺、地下鉄東西線西11丁目駅周辺、JR札幌駅北口周辺の延床面積が330平方メートル(100坪)以上かつ4階建以上の主要オフィスビル384棟です。市況全体としては2008年度12月末時点にて空室率が前年の8.36%から1.8%上昇し10.16%と二桁の大台に達しました。景気回復の見通しが立たず、さらに本州に比べ厳しい経済環境下にある北海道においては、マクロ的にはオフィス需要は今後も低迷する物と見られますが、ミクロ的には築年数の新しいビル、または大型ビルに需要が集中し、一方中小ビルの既存物件では相変わらず空室率は漸増するという二極分化傾向が見られます。

札幌ヴェルディは毎年三月に札幌市経済の指標ともなるレポート「2009年度版札幌市中心部オフィス市況」を発表しており、地場金融業界や官公庁、北海道進出を検討する道外企業などに向け、情報提供をおこなってきました。2009年度版はA4約10ページ分のボリュームで発表します。

2009年度のトピックスとしては2010年3月に(仮称)札幌ビジネスセンター(旧北洋銀行大通支店)、2011年に札幌三井ビルディングが完成を目指し大型の建て替え計画が進んでおり、その結果、さらなる空室率上昇の可能性があることを示唆しています。2003年度以降、大型の新築ビルは100%近い入居率で稼動していますので、上記2棟も高稼働することを予想しています。

2008年度の空室面積は2002年~2004年度までの低迷期と同水準の159,391平方メートル(48.216坪)に達しました。こうした観点からも激しい景気の後退および北海道経済の厳しさが実感できますが、一方で2008年度新築ビル 2棟のうち1棟は100%の入居率を確保するなど、格差の増大が今後とも進むものと思われます。

地域別ではJR札幌駅周辺の動きの激しさが、特徴的です。2007年度は 札幌駅前通り、札幌駅前周辺地区の空室率は5.10%と5.70%と大幅に改善しましたが、2008年度は札幌駅前通り8.02%札幌駅前通り周辺9.9%と3%~4%の大幅空室率増加で終了しました。一方、北口はコールセンターの進出・集約化、IT関連企業の進出・移転等の動きが継続しており、野村不動産札幌ビルの順調な入居率を示しました。

賃料は2007年度においてようやく下落傾向に歯止めがかかり2008年度には上昇傾向に向かうのではと期待しましたが2008年春以後、未曾有な金融危機から端を発した景気後退により、平均賃料が8,942円と再下落しました。下落傾向は2009年度も継続すると予想されます。



本レポート全体は株式会社札幌ヴェルディのホームページに掲載する他、希望企業・団体にはFAX送信も行います。また本レポートのPDFファイルは下記URLよりダウンロードできます。

http://www.sapporo-verdy.jp/downloadfiles/data2009.pdf

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担当:株式会社札幌ヴェルディ 市場調査部アナリスト 早坂邦夫
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