相場表
札幌中心部オフィスの市況及び相場 2021年3月
【空室率がコロナ渦の影響を受けるも微増に留まる】 2020年12月末時点の札幌ビジネスオフィス市況は空室面積43,428.00㎡(13,136.99坪)と前年同月の空室率1.56%から1.44%増加し空室率が2.70%となりました。 新規供給量は2020年4月「大同生命札幌ビル」延床面積23,867.73㎡(7,220.00坪)の内貸室供給面積14,320.64㎡(4,332.00坪)、9月「RM.BLD」延床面積1,494.18㎡(451.99坪)の内貸室供給面積868.20㎡(262.63坪)、11月「S-BUILDING」延床面積4,412.42㎡(1,334.76坪)の内貸室供給面積3,106.84㎡(939.82坪)の3棟が竣工。 前年には16年ぶりに3棟の供給がありましたが今年度も3棟の新規供給がありました。 札幌中心部のオフィスビル市況は、ここ数年空室率の改善による既存テナントへの賃料値上げ交渉や新規募集賃料の上昇が見られましたが、新型コロナウイルスの影響を受け緊急事態宣言以降は、慎重な動きが見られ先行きの不透明感からオフィス需要の停滞が継続しております。 ただコールセンターなどの分室・増床を筆頭に、IT関連企業を中心にテナントの新規開設・分室・拡張ニーズは依然として衰えておりません。 オフィス床供給不足の影響から2020年度の新築ビル2棟も高稼働率にて竣工しました。 2021年6月竣工予定の「THE PEAK SAPPORO」や2021年8月竣工予定の「(仮称)京阪北10西3北オフィス」2棟が竣工を予定しております。新築ビルは、通常コールセンター需要が牽引となり、満室に近い状況でここ数年竣工を迎えていましたが、緊急事態宣言以降は、慎重な動きが見られ先行きの不透明感からオフィス需要の停滞が継続しテナント誘致に時間がかかるケースが見受けられます。 新年度となる4月以降、ワクチンの普及により感染状況が落ち着きを見せれば、新築ビルへの引き合いが増えるものと期待されます。 【札幌ビジネス地区のテナントの動向】 2020年は、3月に竣工した大型ビル「大同生命札幌ビル」、11月「S-BUILDING」も高稼働率で竣工となりました。 新型コロナウイルスの影響を受け大型解約や館内縮小・撤退などの動きはあったものの、コールセンターの拡張や分室の動き、IT関連企業の業務拡張に伴う増床移転需要などもあり空室率は微増に留まったと思われます。 札幌ビジネス地区エリアではまとまった面積の募集床確保が困難になってきており、需給バランスはより一層ひっ迫した状況にあり好立地条件等のビルは、募集と同時に複数の引き合いを集め関心度は高くなっています。 2021年6月には「THE PEAK SAPPORO」延床面積約13,764.86㎡規模(約4,163.88坪規模)、2021年8月には「(仮称)京阪北10西3北オフィス」延床面積約8,541.17㎡規模(約2,583.71坪規模)2棟が竣工を予定しており、200坪以上のまとまった大型の空室募集がほとんど無い状況と希望に見合った物件の減少により、受け皿となる新築ビルの動向には、多くの注目が集まるものと思われます。 新年度となる4月以降、ワクチンの普及により感染状況が落ち着を見せれば、新築ビルへのオフィス需要引き合いが増えるものと期待されます。 【札幌中心部オフィスビルや複合商業施設は新築・建て替えが活発化】 主要なビルでは、2021年「THE PEAK SAPPORO」延床面積約13,764.86㎡規模(約4,163.88坪規模)、2021年「(仮)京阪北10西3北オフィス」延床面積約8,541.17㎡規模(約2,583.71坪規模)、2022年「(仮)ヒューリック札幌NORTH33ビル建替計画」延床面積約12,263.21㎡規模(約3,709.63坪規模)、2023年予定「(仮)札幌第一生命ビル建替計画」、2023年予定「(仮)北8西1地区再開発計画」、2023年予定「(仮)北海道放送(HBC)本社社屋跡地開発計画」、2023年予定「(仮)南2条西3丁目西地区第一種市街地再開発事業」、2023年予定「(仮)札幌すすきの駅前複合開発計画」、2024年予定「(仮)ほくほく札幌ビル(北陸銀行 札幌支店)建て替え計画」、2024年予定「(仮)北6東3地区再開発計画」、「(仮)IKEUTI GATE建て替え計画」、「(仮)南10西1ヤマハセンター跡地再開発計画」、「(仮)富樫ビル跡地建て替え計画」、「(仮)創世1・1・1区大通東1地区再開発計画」、「(仮)札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発事業」、「(仮)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」、「(仮)北海道ビル建て替え計画」、「(仮)道銀ビルディング・新大通ビルディング建て替え計画」、「(仮)ヒューリック札幌ビル建替計画」、「(仮)南2西4札幌ピヴォ周辺再開発計画」、の竣工を予定しております。 2018年度に札幌都心の建物容積率の緩和や市内中心部の賃貸用オフィスが不足している状況を踏まえ、新規供給を促し、オフィスビル建設促進補助制度や北海道新幹線の札幌駅開業・冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据え建て替え計画や再開発の勢いは引き続き活発化しております。 慢性的なオフィス床供給不足の中で、受け皿となる新築・建て替え計画、再開発事業の動向には、今後も多くの注目が集まるものと思われます。 | |||
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札幌中心部オフィス 貸室面積と空室面積の推移 | 2020年12月 | ||
2020年12月現在の空室面積は43,428.00㎡(13,137.00坪)、2019年度は24,635㎡(7,452.10坪)であり18,793.00㎡(5,684.89坪)の増加でした。 2020年4月「大同生命札幌ビル」延床面積23,867.73㎡(7,220.00坪)の内貸室供給面積14,320.64㎡(4,332.00坪)、9月「RM.BLD」延床面積1,494.18㎡(451.99坪)の内貸室供給面積868.20㎡(262.63坪)、11月「S-BUILDING」延床面積4,412.42㎡(1,334.76坪)の内貸室供給面積3,106.84㎡(939.82坪)の3棟が竣工。昨年の16年ぶりに3棟の供給に続き3棟の供給がありました。 空室が増加した理由として、新型コロナウイルスの影響を受け緊急事態宣言以降は、大型解約や館内縮小・撤退などの動きはあったものの、コールセンターの拡張や分室の動き、IT関連企業の業務拡張に伴う増床移転需要などもあり、札幌中心部のオフィス市況は空室率の微増に留まりました。 新型コロナウイルスの影響を受け先行きの不透明感からオフィス需要の停滞が継続している状況にありますが、今後もコールセンターやIT関連企業を筆頭に大型テナントの潜在的需要や大型ビルの建て替えによる移転、分室・統合などの移転オフィス需要は依然として衰えないように思われます。 2021年度においても新型コロナウイルスのワクチン普及により感染状況が落ち着きを見せれば、徐々に持ち直しに向かうように思われます。 | |||
単位=坪(3.3㎡)
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札幌中心部オフィス 地区別空室率の推移 |
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2020年12月現在、全体平均で2.70%の空室率となりました。 札幌駅前通り地区は、2020年度空室率1.37%と2019年度0.76%から0.61%増加の微増となりました。 一部感染リスク回避のため館内増床や分室の動きも見られるものの在宅勤務の導入による解約や縮小の動きも見られ小幅な動きに留まり空室率は、1%台を維持しております。 ただ同地区は人材確保も容易であり、希望地区の筆頭の地位は今後も揺るがないであろうと思われます。 札幌駅前通り周辺地区は、2020年度空室率2.60%と2019年度0.95%から1.65%の増加となりました。 大型テントの撤退による解約や他地区への移転などが最大の要因と思われます。 札幌駅北口周辺地区は2020年度空室率1.58%と2019年度1.01%から0.57%の微増となりました。 分室や館内増床の動きが見られた一方で、縮小や他地区への移転なども見られ小幅な動きに留まりました。 同地区はもともと新しいビルが多く依然として人気の高いビジネス地区であり空室率は、1%台を維持しております。 バスセンター駅周辺地区は、2020年度空室率3.52%と2019年度1.95%から1.57%増加となりました。 分室の開設に伴う大型の動きが見られた一方で、業務集約などに伴う解約や分室の閉鎖や他地区への移転に伴う大型の動きが見られ、同地区の空室率が上昇しました。 大通り周辺地区は、2020年度空室率2.76%と2019度1.24%から1.52%の増加、大通り南周辺地区は、2020年度空室率3.39%と2019度1.94%から1.45%の増加となりました。 新規開設に伴う大型の動きが見られた一方で、大型解約の動きや業務縮小による解約や他地区への移転による影響により増加したと考えられます。 西11丁目駅周辺地区は、2020年度空室率4.72%と2019度4.92%から0.20%の減少となりました。 2019年度は、統計開始以来初めて5%を切り2020年度もビジネス地区の中で唯一減少した地区となりました。 希望に見合った物件の減少により札幌駅前周辺地区、大通り周辺地区、他地区から選択肢の幅を広げる移転の動きが見られた結果だと思われます。 | |||
(%)
単位=%
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札幌中心部オフィス 募集賃料の推移 | 2020年12月 | ||
2020年度の平均賃料は9,524円と2019年度の9,226円から298円の上昇で終了しました。 2020年度は、統計開始以来最低値を記録した2019年度の余波により引き続き供給側が優位に立ち、新規募集賃料の値上げや既存テナントへの値上げ交渉が行われた結果と考えられます。 新築ビルの募集賃料は高水準で、募集賃料を押し上げる一番の要因でありますが、コロナウイルスの影響を受け緊急事態宣言以降は、慎重な動きが見られ先行きの不透明感からオフィス需要の停滞が継続しており柔軟に対応する姿勢が求められてくるかもしれません。 | |||
単位=円/坪(3.3㎡)当たり
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札幌中心部オフィス 地区別賃料の推移 |
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札幌駅前通り地区の2020年度における募集賃料は14,412円で507円上昇となりました。 統計開始以来最低値を記録した2019年度の空室率低下の余波により既存ビルの新規募集賃料の上昇が一番の要因あると思われます。 今後も建て替え予定のビルが竣工する事を考えますと新築ビルの募集賃料は高水準で、募集賃料を押し上げる一番の要因である為に上昇傾向を保っていくものと思われます。 札幌駅前通り周辺地区の2020年度における募集賃料は11,231円で346円の上昇となりました。 空室率低下の余波により既存ビルの新規募集賃料の上昇が一番の要因であると思われます。 札幌駅北口周辺地区の賃料は11,412円で244円の上昇となりました。 同地区はもともと新しいビルが多く2020年度も既存ビルの新規募集賃料の値上げが図られ、前述した賃料に落ち着きました。 2021年度の新築ビルは、2棟とも北口周辺地区になり新築ビルの募集賃料は高水準で、募集賃料を押し上げる一番の要因である為に上昇傾向を保っていくものと思われます。 その他の地区(大通り周辺地区、大通り南周辺地区、バスセンター駅周辺地区、西11丁目駅周辺地区)は、2019年度札幌ビジネス地区全体の空室率の減少により上昇傾向にあり既存ビルの新規募集賃料の値上げが図られ上昇しました。 | |||
単位=円/坪(3.3㎡)当たり
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札幌中心部オフィス 新規需要量 | 2020年12月 | ||
単位=㎡
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新規需要量とは貸室面積(供給面積)に対し、今年新たに新規のテナント需要量があったかの増減の数値です。2020年度で言えば2019年度から貸室面積が26,853.00㎡(8,123.05坪)の増加。空室面積は18,793.00㎡(5,684.89坪)の増加。貸室面積が増加した部分を合わせて8,060.00㎡(2,438.15坪)が実際の新規需要量です。様々な要因により変化しますがマイナスの数値であれば縮小、移転、撤退、倒産による景気後退の影響が明確に表れると考えられ、プラスの数値であれば景気回復による進出、増床、拡大移転などの動きがあったことが考えられます。 その点で言えば、2020年度は、新型コロナウイルスの影響と空室率減少の中で希望に見合った物件の減少により、新規需要量は、2019年度から大幅に鈍化しました。 2020年度を見ると新規需要量が8,060.00㎡(2,438.15坪)と7年連続増加しました。新築物件3棟の供給量が貸室供給面積18,295.67㎡(5,534.45坪)ですが、2棟がほぼ満室稼働だった為、新規需要量の受け皿として一昨年竣工の大型ビルを含め既存ビルに流れたことが考えられますが、供給側が新規需要に対し希望に見合った物件の減少により、オフィス床供給不足の影響はより一層ひっ迫した状況により新規需要量は鈍化しました。 2021年度は、「THE PEAK SAPPORO」延床面積約13,764.86㎡規模(約4,163.88坪規模)、「(仮)京阪北10西3北オフィス」延床面積約8,541.17㎡規模(約2,583.71坪規模)、の2棟が竣工を予定しており、200坪以上のまとまった大型の空室募集がほとんど無い状況と希望に見合った物件の減少により、受け皿となる新築ビルの動向には、多くの注目が集まるものと思われます。 新年度となる4月以降、ワクチンの普及により感染状況が落ち着きを見せれば、新築ビルへのオフィス需要引き合いが増えるものと期待されます。 | |||
※ 2021年3月30日 「2021年度札幌中心部オフィス市況」の発表にあたり、 プレスリリースを発信いたしました。 →リリースページ | |||
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