前進と挑戦

　弊社は設立以来、事業用物件の専門業者として、事務所・倉庫・店舗等の賃貸借仲介、事業用土地・建物の売買仲介、事業用定期借地契約や賃貸借注文建築物件の立案等の仕事をさせていただき、今年で設立より３０年目を迎えることができました。これも偏に事務所や倉庫、店舗、不動産売買等、事業用物件をご紹介させていただいたお客様はじめ、オーナー様、同業者の皆様や、建築・設計会社の皆様に支えられてきたお蔭と改めて感謝申し上げます。

　現在の事業用賃貸借物件の状況について、札幌都心部のオフィスビルは、再開発による建て替えラッシュといった状況です。これに伴い建て替えによる移転需要が活発化しているようですが、建築資材の高止まりや人手不足による建築費の高騰が、新築物件の賃料の高額化を招いています。ただ企業誘致のための補助金制度も拡充してきており、オフィス需要に対する後押しが進むとも思われます。

　倉庫・工場向け賃貸借物件については、中小の空き物件の極端な減少傾向が続き、建築費の高止まりによる新規供給物件の減少傾向が顕著です。一方大手ゼネコンやファンド系法人が、物流施設への積極的な投資を行っており、大型物件の供給が始まりました。北海道内の賃貸用物流施設の転換期を迎えているのかもしれません。

　売買物件については、千歳市を中心とする企業誘致に伴い、用地取得や開発などにより一部地域での地価の高騰が見受けられるようになりました。同時に自社物件を取得する動きも活発化しているように見受けられます。札幌市内及び近郊都市では地価の上昇や高止まりが顕著となっています。取得を希望する必要面積の確保が今まで以上に難しくなりつつあります。

　事業用物件の選定には、考慮すべき点、事前確認が必要な点が数多くあります。ネット環境が整備され「物件探し」もネット中心となりつつありますが、事業用物件については直接の相談や打ち合わせと交渉、行政機関との事前確認・調整等が欠かせません。迅速かつ真摯で確実な対応が、今まで以上に必要であると考えています。同時に、企業コンプライアンスの確立や法改正等による契約内容の変更等、周辺環境が大きく変化しています。企業のみならずそれを構成する個々人が、公私を問わず高い倫理観を要求されています。弊社にとっても、日々社員一人一人がこの「高い倫理観」を持ち続けることが大切です。

　これまでに培われた、お客様・オーナー様との信頼関係が、弊社の最も大切な財産です。社員一人一人がこの信頼関係を継続し、また新たな提案ができるよう、日々の営業活動を通じ広く社会に貢献できるよう、努力していく所存です。これからも札幌ヴェルディは、事業用不動産専門業者として、より一層の努力を続けてまいります。

2024年4月