相場表
札幌中心部オフィスの市況及び相場 2004年3月
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札幌中心部のビジネス地区における２００３年１２月末現在の状況は、445,508坪の貸室面積に対し空室面積が55,670坪で、空室率は12.5％と過去最高の水準に達しており、依然として厳しい状況が続いています。 現在の厳しい経済情勢がオフィス市場にも反映されており、近年では企業の合理化や経費削減の流れを浮け、事務所の減床や解約などが目立っています。逆に増床や新規の入居などは一部に限られている為、オフィス市場は縮小傾向となり382棟中318棟のビルが空室を抱える結果となっています。その為入居希望のテナントは物件検討段階で、広い選択肢から立地条件、ビル設備状況、賃料等諸条件を十分考慮し、最良の物件に決める状態となっており、テナント獲得には激しい競争が強いられています。 競争激化の中でも新築ビルは堅調な動きをしており、2003年度は春にJRタワー、オフィスプラザ、札幌エルプラザ、STV北2条ビルがほぼ同時期に竣工、秋には伊藤110ビルがそれに続き、計4棟（賃室面積14,954坪）という大型併給の年であり、新築ビルでは竣工に合わせ、大手企業の統合や移転などを見込んだテナント誘致が早い段階から進み、年度内に札幌エルプラザ、STV北2条ビルがほぼ満室となりました。またJRタワーオフィスプラザ、伊藤110ビルでも札幌駅直結や札幌駅付近などの好立地な条件や、大規模面積が確保できるなど、ビルの特性を活かした企業の入居が進み、一部の空室を残しほぼ順調に推移しています。ビジネスにもIT化が浸透している現在ではOAフロア―や豊富な電気容量に加え、多様な動務形態に対応できるセキュリティーシステムや個別空調など、オフィスの設備に対するニーズは高まりつつあります。新築ビルではそれらの設備に加え、柱のない広いスペースの確保や余裕のある天井高、フロア毎に設置されたリフレッシュコーナーや優れた耐震構造など最新のオフィス環境を提供しているビルが多く、大手企業を中心に引き合いが集まっています。 2004年度は北1条西6丁目にワンフロアの面積が738坪と最大規模になるアーバンネット札幌ビル（賃室面積6,785坪）の竣工が10月に予定されており、すでに大型テナントの誘致が進んでいます。2004年度は他に竣工する物件はなく、既存ビルでも縮小や経費削減に伴う移転、好立地や整った設備を求めての移転など、より活発な動きが期待されます。但し、未だ需要と供給のバランスはとれておらず、顧客ニーズに対応したより条件の良いビルから入居が進む事が予測されます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 札幌中心部オフィス 貸室面積と空室面積の推移 | 2003年12月 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 過去5年間の賃室面積と空室面積の推移をみると、賃室面積は2000年に442,653坪となってから2年間は目立った新規供給がなく、2001年には2,781坪の減少、2002年度にも938坪の減少と2年連続で賃室面積を減らしました。しかし、2003年には新規供給となる新築ビルの竣工が春さきから相次ぎ、年間で計4棟（賃室面積合計14,954坪）と大型供給の年になりました。その為最終的な賃室面積は445,508坪となり、近年では最大の面積となっています。 空室面積については1999年の34,667坪から毎年増加の一途を辿っており、4年後の2003年には実に1.6倍の55,670坪にまで達しています。特に2001年と2002年は事務所の集約や統廃合、さらには出先機関の撤退など、リストラの動きが企業の大小を問わず一段と目立つ年となりました。この2年間で賃室面積は3,719坪減少しているにもかかわらず、空室面積は37,414坪から53,196坪へと15,782坪も増加しています。 近年では首都圏を中心に景気回復の兆しが徐々に現われ、札幌圏でも2003年でようやく大手企業のリストラの動きが一段落した感があります。ただ今のところ札幌への新規進出や事業拡大など、企業の意欲的な動きはまだ限定的で、空室在庫の解消にまでは至っておりません。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 札幌中心部7ブロックの市況及び相場 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2003年12月地区別空室率 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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地区別空室率の推移 |
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| 過去5年間の空室率の推移をみると、1998年には全体で8.17％だった空室率が5年間で4.33ポイント上昇し、2003年には12.5％と過去最高の水準に達しています。2000年まではデフレ市況のもと8％台前半をほぼ横ばいで推移していましたが、2001年と2002年に企業の事務所縮小や統廃合などがオフィス市場を直撃しました。多くのビルで減床や解約などが相次ぎ、急激に空室面積が増加した為、2002年には空室率が一気に12％台にまで達しています。 これを地区別に見てもほぼ同じ傾向がみられ、2001年から2002年にかけてほとんどの地区で空室率が上昇しました。しかし2003年になるとグラフの動きは大きく分かれる様になりました。札幌駅前通りや駅前通り周辺、札幌駅北口周辺の地区では、退去予定テナントに対する強力な引き留めや、入居検討テナントに対する柔軟な価格対応、OAフロア―の新設フリーレントの提案など顧客ニーズに合わせた対応をいち早く取り入れ、好立地の主要ビルに人気が高まりました。その結果空室率の上昇に歯止めがかかり、札幌駅北口周辺では前年数字を維持、駅前通り周辺では0.6ポイント下がりました。特に札幌圏一番の好立地である札幌駅前通りではその効果がはっきり現われ、2003年度は3.4ポイント下がり、空室率回復の動きがみられます。 逆に西11丁目駅周辺や大通り南周辺、バスセンター駅周辺では、以前の割安感が薄らぎ、駅前立地のビルとの実勢価格差が縮まる構図となりました。その為いずれの地区も空室率の上昇は避けられず、15％～17％台と過去最高の水準に達しています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 札幌中心部オフィス賃料 | 2003年12月 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2003年のオフィス募集賃料をみるとビジネス地区全体では坪当り9,249円と前半より坪当り180円下がりました。これを地区別で比較すると依然、札幌駅前通りが、11,124円と最も高く、駅前通り周辺が10.426円と続き、次いで2003年度に札幌エルプラザ（北8条西3丁目）や伊藤110ビル（北7条西4丁目）など2棟が竣工し注目された、札幌駅北口周辺が10,200円と高水準を維持しています。 一方バスセンター駅周辺や、西11丁目駅周辺、大通り南周辺では７~8千円台と募集賃料は比較的抑えられており、ビジネス地区全体を棒グラフでみると、地区別で段階的な募集資料となりバランスが取れた状態にあります。但しビジネス地区内でのテナント獲得競争も激しく、デフレ市況のもとで賃料が最優先の物件選定条件となっている企業も多く、成約時に大幅に値下げ対応を迫られるケースも見受けられます。 この様な状況下で近年では、募集賃料と実勢賃料の差額が増大する傾向にあり、募集賃料の高いビルほどその格差に開きが出ています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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地区別賃料の推移 |
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| 過去5年間の募集賃料の推移をみると、1998年には全体で10,026円だった募集賃料が、5年間で坪当り777円下がり、2003年には9,249円になっています。 ビジネス地区全体の折れ線グラフをみると、毎年なだらかな下落傾向にあり、長引く厳しいオフィス市場の動向に連動して、募集賃料の見直しをするビルが増えているものと思われます。ただ需要と供給のギャップは急速に拡大しており、実勢賃料はさらに下がっているものと思われます。一般的に賃料は業種や使用面積などにより個別に対応するケースがほとんどで、募集の段階での大幅な見直しには慎重なビルが多く、下げ幅は毎年1～2％程度と小幅に留まっています。 募集賃料の推移を地区別にみても駅前通り周辺と西11丁目駅周辺の一部を除き、おおむね下落傾向にあります。下げ幅が大きいのは札幌駅前通りで、1998年の13,072円から2003年には11,124円と約15%下がっており、5年前には駅前通り周辺と比べて坪当り1,824円あった価格差が坪当り698円まで縮まっています。 現在では、需要の減退や供給過剰による需要ギャップの増大で空室率が上昇している為、札幌ビジネス地区では借り手市場となっています。この様な状況では賃料が上昇する要因は少なく、下落傾向は今後も続くものと思われます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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